2018年2月9日金曜日

立春


立 春

シスターL

 「春の兆しは空に現れ大地はそれにこたえる」菜の花が咲きました。来月になれば桜の花が咲きます。どうして花たちは咲く時がわかるのでしょうか。私たちの姉妹で代々農業を生業としているお父さんがいます。その姉妹が言っています。「父は気象博士だ」と。別にデータに頼るわけでもなく空を見て大地を見て農作物について決定していたのでしょう。勘のようなものは神様からのものではないでしょうか。耳を澄ませ心を静かにして聞く祈りのようです。

 「冬なんて嫌いだ氷で転んだしそれを男子に見られちゃったし」(朝日歌壇)私のような高齢者になりますと誰に見られようが見られまいが、「転ばないで、転ばないで」という言葉の中にいます。「ゆっくり、ゆっくり」と呪文のように唱えて動いています。そうしているうちに、こんなことは怠慢ではないか、と思ったりします。

人々は今まで物質的な豊かさを追い求めてきました。広大な家、高価な車など多くのものを持ち、たくさんの欲望を満たすこと、そのために日夜時間に追われる生活を送り効率の良いことを良しとしてきました。しかし今、節電が叫ばれ、エコロジーの生活、地球環境への配慮が求められ、人々は多くのものを持たず、少ないもので生活し、シンプルに行き、心豊かに生きることを追い求めるようになりました。新たな視点から、心の豊かさとは何か、幸せな生き方とは何かが、今問われているような気がします。
こんな短歌もあります「“寒いね”と話しかければ“寒いね”と答える人のいる暖かさ」サラダ記念日 俵 万智                     

2018年1月25日木曜日

寒中お見舞い申し上げます

寒中お見舞い申し上げます
スターL
お正月も終わり、新しい年が歩き始めました。各地で雪の被害が報道され心が痛みます。この冬私たちは日本の草創期を生きてくれた姉妹二人をなくしました。重しが二つとれてしまった様な気がします。心から永遠の安息をお祈りいたしました。
私たちの寮生が去年シェラレオーネにボランティアに行ってきましたのでその時の報告を読んでください。
シェラレオーネでの体験
 私は今年の夏休みを利用して、西アフリカのシェラレオーネ共和国に行ってきました。なぜシェラレオーネに行こうと思ったのかと言いますと昨年私の住んでいる寮の隣にある修道院から一人のシスターがいらっしゃってシエラレオーネのお話をして下さったからです。そのシスターのお話をきいてから1年以上いきたいと想い続け今年の夏にやっと念願がかないました。
 行きは羽田空港からフランスを経由し、シェラレオーネに入国しました。現地の空港は意外と綺麗で驚きましたが、これが首都の空港だと考えるとやはり質素なものでした。しかし私の心は高揚し、これからどんな人と出会いどんな経験が出来るのかといった希望に満ち溢れていました。 空港では現地のシスター(メキシコ人と日本人)に暖かく迎えられて、車でマンゲブーレという村の修道院へ移動し、次の日から早速仕事が始まりました。

 仕事は日本からの支援物資の荷解きと仕訳、職業訓練センターで作られているガラ布(シエラレオーネの伝統工芸品)を使ったバッグやポーチの梱包。学校の授業で使うアルファベットの作成、首都近郊で発生した洪水によって被災した現場の清浄活動と、仮設キャンプの訪問などです。私は英語があまり話せないのですが、シェラレオーネの人たちや修道院のシスターは本当に優しく接してくださいました。シェラレオーネの人たちは貧しいけれど本当に心が温かくて{豊かさ}というものはお金だけではないのだと強く感じさせられました。
 シェラレオーネは{世界で一番寿命が短い国}と言われていて、実際に私も目で見て明らかな栄養失調の子供たちがいました。「おなかすいた。何か持ってる?」「学校に行きたいから、お金ちょうだい」私はそんな言葉を言われて本当に心が痛みました。でも今物やお金をあげても一時的なものであって根本的な解決にはなりません。だからこそ、シスターたちが全力で力を注いで下さっている「教育」が必要だと感じました。

シェラレオーネでの3週間は本当にあっという間でしたが、自分の中で何かが変わった気がします。自分がこの国の為にできることを見つけ、お世話になったシスター方に恩返しができるようになったころ、またぜひ足を運びたいです。
加藤陽和

2017年12月24日日曜日

クリスマスと新年のお喜びを申し上げます

クリスマスと新年のお喜びを申し上げます
シスターL

 地方によっては大雪に見舞われているようですが、みんなさんつつがなくお過ごしでしょうか今年も修道院には馬小屋が飾られました。毎年毎年見ている馬小屋でもう40年になりました。入会した時からのご像ですので、見るとなぜかほっとします。羊飼いたちは少し色が剥げたところがありますが,マリア様、ヨゼフ様はさすが梱包がしっかりされてありますので傷みはありません。三人の博士たちも大丈夫です。この馬小屋を見るたび、今では来年も見たいと思います。あと何回見られるでしょうか。もう40回はないでしょう。冬の夜の明かりは心を和ませるものですが、パレスチナの馬小屋も羊飼いたちの心を和ませたことでしょう。
 この馬舟のイエズス様の前で、皆様の新しい年の無事と幸せをお祈り致しております。
                         平成29年クリスマス


2017年11月27日月曜日

陸 奥  


陸 奥  (みちのく)

シスターL

 “陸奥”この言葉に特別な思いがあって何のあてもなく題名にしてしまいました。今の東北の福島県、宮城県、岩手県、青森県の4県の呼称です。2011311日、ここを津波が襲いました。昔から人々は津波と一緒に生きてきました。女川の女の子は言いました。「おばあちゃん心配しないで、もう一度津波がきて女川を元に戻すから」津波が襲ったその日、ある郵便局の局員は各避難所を回り、郵便を配達しました。自分の家が、自分の家族が大変な時に県民の、市民の、町民のお世話に奔走した自治体職員の方々がいました。陸奥で私はカナダ人の宣教師に出会いイエズ様を知りました。その宣教師も鬼籍に入られました。今でも陸奥の地で眠っているような気がしてなりません。陸奥を出て東京に行き、神奈川県、群馬県、佐賀県、大分県、長野県に住みました。そして、イスラエルに行きテルアビブ空港に着いた時、イスラエルの大地を歩いた時、陸奥はイスラエルに通じていたと実感しました。

 11月、七五三のお祝いがありました。昔は乳幼児の死亡率が高かったので三つになったこと、五つになったこと、七つになったことを特別な思いでお祝いしたのでしょうね。これからの健やかな成長を私も祈りました。今、人生百年の時代です。私の周りは七十代、八十代 九十代の話題でいっぱいです。よくぞここまで生かされたことを寿ぎたいと思います。私たちの愛する総長は八十代の姉妹に次のように語っています。「私たちも姉妹方に言います。ありがとう。道を開いて下さって感謝致します。たぶん修道会の一番難しい時期に居て下さってありがとうございます。何も持たずに始めて下さった。不確かさに向かって、たぶん物質的な手段なしで宣教をはじめ、多くの危険を通ってくださってありがとうございます。あなた方は宝です。そしてあなた方の為に祈っています」

私も、そろそろ“終活”をしなければと片づけをはじめました。院長様の手を少しでも煩わさないようにです。まず、クリスマスカードを出すのをやめようかと思いました。今まで出していた方々もだいぶなくなられたからです。それも思いきれずにいたとき、“オリンピックまであと千日”と耳にしました。隣の馬事公苑では馬術の競技が行われます。垣根越しに見られるかもしれない、きっとこの辺も賑やかにオリンピックの雰囲気に包まれるかもしれないと想像を膨らませました。そのうちに天皇陛下の退位と皇太子さまの即位が報道されました。それは20019年です。オリンピックは2020年です。というわけで終活は2020年後にしました

総長は先の話に続けて言っています。「だからあきらめないでください。体の不調にとらわれないでください。限界にがっかりしたり、まして憂鬱を覚えないでください。あなたの心臓が鼓動している間は,霊魂の救いのために果たさなければならない宣教の使命があります。一つのアベマリア、一つの主の祈り、一つの呼吸、全ては霊魂の救いの為です

 永遠の国に向かう時が私のお祝いです。その時、私の為に祝ってください。陸奥の夜も更けてきました。どうぞ、暖かくしてお休みください。

2017年10月28日土曜日

秋の一日

秋 の 一 日

シスターL

 「ねえちゃんがファッション雑誌を買ってきて家族全員驚いた秋」 朝日歌壇に載っていました。皆さんはどんな秋を体験しているでしょうか。私の秋のある一日は養成院の姉妹二人が誓願更新をしたことです。かつての自分を思い出させてくれました。遠い遠い昔のような、また今のような不思議な感じでした。私たちの創立者は言っています。「神から与えられた特別な恵み、すなわち、ご自分の花嫁、ご自分の愛する者となるよう、自分自身を奉献するように呼び掛けてくださったことに喜び溢れるのです。値しないのに選ばれたので、心から無限に感謝しながら、思わず竪琴を響かせるように口から優しい愛の賛歌が出てくるのです」

 3年後彼女たちは終生誓願を立てます。今はいろいろな経験と勉強に励んでいます。日本の文化、日本の習慣、日本の気候、これらを受け入れるのも大変な時もあるでしょう。ゆっくり、ゆっくり、まずは順応してくださいね。それが私の願いです。そして、それからあたりを見回していろいろなアイデアを出してください。応援しています。この修道会も彼女たちに託されるのは確かです。でも重くならないでください。神様が担いますから。

 私たちの現総長は有期誓者に向かって手紙の中で言っています。「あなたは修道会の大きな喜びです。なぜなら、エネルギー、情熱、力、ダイナミズムを与えて下さる方です。このように続けて下さい。業に塩味を付けて下さい。病気や年取った姉妹を力づけて下さい。彼女たちをあなたの力で支えて下さい。彼女たちを助けて下さい。どんなことにも失望しないでください。修道召命を感じた若い時に抱いていた理想に対する大きな情熱を、持ち続けて下さい」

 養成院の5人の姉妹は日本に来て5年目に入りました。私達に大きな希望と慰めを与えています。日本に着いて最初に食べたものはおにぎりです。昆布と梅干のおにぎり。昆布の方がおいしかったそうです。ご飯は何の味もしなかったそうです。今では納豆も、とろろも食べます。ありがとう。日本に来てくれてありがとう。




2017年9月15日金曜日

夏休み



夏 休 み
シスターL
この夏はどんな風にお過ごしになられたでしょうか。このブログも私たちとは関係のない方も読んでくださっていると聞き、震えながらお聞きしています。小学校の頃、夏休みが明けますと先生に絵日記を持って行ったことを懐かしく思い出しました。「今日は朝顔に水をやりました」「今日はウサギに餌をやるために学校に行きました」「今日はいとこが遊びに来ました」などなど。このブログもその延長かな、などと思っています。私のつたない絵日記を読んでくださいますか。

 830日(水) 今日は秋津の老人ホームにいる姉妹を見舞いに行きました。快晴でしたので帽子をかぶってリュックを背負っていきました。秋津駅につきましたら、ぽつぽつと雨が降ってきました。みんなは20分で行くと言いますが私は30分かかります。本降りになる前につかなければと急ぎました。間に合いませんでした。人の家の軒先をお借りして雨宿りをしながら、全身びしょ濡れでやっとの思いで同じ敷地内の秋津教会につきました。信徒会館前のベンチに腰掛け雨が止むのを待ちました。しかし、雷が鳴りますます激しくなります。神父様から傘をお借りしましたので何とかして隣の建物の姉妹のところに行こうとしましたが、時間も立ち雨量も多くなり道が川のようになりました。それで見舞いを断念し、引き返しました。目の前にしながら着かなかったという話です。リュックには手土産が入っています。
 95日(火)今日は消防署の防火管理者の集まりに行ってきました。代理です。場所は日本体育大学です。ここのそばを通る度に日本のスポーツ界を牽引してきた大学を一度、見てみたいと思っていました。「自衛消防活動技術大会」という名目ですので使う場所はグランドの一部でした。ちょっとだけ中に入れました。お陰様で剣道部、と相撲部を横目で見てきました。なんとなく雰囲気がわかりました。この話だけが大きく伝わり何をしてきたかといわれましたが、自主防火管理体制の重要性と、自衛消防隊員の災害時の活動の大切さをよく理解して帰ってきたのです。


 98日(金) 今日は群馬県の支部にいる姉妹を東京修道院の8人で見舞いました。重い病気で施設にいます。難しい面もあった姉妹でしたが、今は平和と穏やかさにあふれていました老いと病気がすべてから解放しました。「私は愛されている」と言ったそうです。 

2017年8月21日月曜日

見切り発車



見 切 り 発 車


シスター L

 年の黙想に行ってまいりました。軽井沢修道院で行われ夏と冬のどちらかに入ります。冬の黙想はほとんど私たちだけです。私は、今年は夏でした。83日から12日まで。夏はいろいろな修道会からお見えになります。11の修道会のシスターたちと一緒で、この経験は素晴らしいものでした。総勢29人で半分は高齢者でした。神父様の言う“高貴高霊者”でした。最高齢は90歳です。皆さん自分の速さで歩き、かつては校長であり、園長であり、会の要職にあった方であっても今は一人の“高貴高霊者”でした。10日間もミサやお祈りや寝食を共にすれば不思議な絆が生まれ別れが寂しかったです。各テーブルを回り丁寧にご挨拶して下さり年の功を感じました。もしかしたら一期一会かもしれません。彼女達の旅路の物語を聞いてみたいものです。

 

 神父様のお話は示唆に富み沢山の気づきを与えて下さいました「見切り発車」という言葉が印象的でした。物わかりの悪い弟子たちを最後まで愛して、受け入れ「さあ、立って行こう」と十字架に向かうイエズスの姿が鮮やかによみがえりました。イエス様は弟子たちに足を洗うお手本を見せ、御聖体を残してくださいました。イエス様の思いを今は理解できなくとも後でわかることを私たちに期待しています。イエス様の思いに出会うために「み言葉」もあります。又、23人がいるところにわたしがいるともおっしゃっています。マタイ福音書25章では、「私の兄弟であるこの最も小さいものの一人にしたのは、私にしてくれたことなのである」とおっしゃっています。イエス様に親密に出会い、思いをくみ取り、味わい、喜び、感謝し、少しでも私の中で大きく、深く、高く、広くなるように努めたいと思います。そして、その喜びを伝えるものになりたいと思います。

 

 

 一緒に黙想した中にきれいなポーランド人のシスターがいました。時々いらっしゃり「ここ大好き」と言ってくれています。黙想明けに話してくれました。彼女はポーランドでテレビドラマ「おしん」を見ました。それを見て日本に行きたいと思ったそうです。それから日本に来ました。そしたら、ある施設にそのドラマにおばあちゃんの役で出ていた女優さんがいるということを聞いて会いに行きました。事情を話してお礼を言ったそうです。握手をした時の様子が感動的でこちらにも伝わってきました。100歳で亡くなられました。聞いていた一人のシスターが「おしんは宣教したのね」と言いました。